日本の森の育成のために
国産材を用いています
オークヴィレッジでは、創設当初より国産材にこだわり、国産広葉樹の無垢材を使用した木のモノ造りを行っています。
日本は国土の約7割を森に覆われ豊富な森林資源がありますが、外国産材の輸入などにより国内林業の衰退が進み、国内の森林は十分な手入れがなされずに荒廃が進んでいます。
健康な森の育成は生態系を豊かにし、土砂崩れなど自然災害を防ぐ効果があるのみならず、樹林が二酸化炭素を吸収することで温暖化防止にもつながります。適切な形で国内の森林から木を伐採し、植えて育てるというサイクルを円滑に回すためには、国産材を積極的に活用する必要があります。国産材を使うことは、豊かな自然を守るだけでなく、日本の林業を活性化させ地域経済の発展にもつながります。
※例示の商品は廃盤や仕様変更を行う場合もございます。
「適材適所」を見極める
日本の無垢の木を使用する上で「適材適所」の考えを大切にしています。木目や色などの表情や強度など、それぞれの樹種の特徴を理解し、適材を適所に用いることで、より品質の高い木のモノ造りが実現できます。
一本の丸太から製材する際も、樹種ごとの木質、木目の出方、木理(もくり)(木目方向の伸び縮みの度合いの違いやクセ)、曲がり具合などを見極めて、各製品のどこの部材に適しているかを判断しています。
例えば同じナラ材でも、若くて粘り気のある材は椅子の脚に、老齢の古木で希少な木目の板は食器棚の扉の鏡板に、伸びやかで色目が美しい板はテーブルの天板に、とオークヴィレッジでは「適材適所」の使い分けをしています。
暮らしの木製品づくりの主な材種
私たちが暮らしの木製品で主に取り扱っている材種は、ナラ、カバ、ブナ、ケヤキなどの国産広葉樹です。
それぞれの木の性質を見極めたうえで製品づくりを行っています。また、木のおもちゃでは、お子さまが五感を通じて多種多様な木の違いを楽しんでいただくよう、様々な樹種を織り交ぜた積木などがあります。
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ナラ
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ケヤキ
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トチ
積木
大切な材料を生かし切るために、家具など大きなものから順々に使ったあとの材料が最後に行き着く先が積木のピースです。
積木には、常時12樹種以上のピースが入っていますが、その時によって山から出てくる材料も違いますので、あとから全く同じものを作ろうと思っても、作ることができない「旬」のものとなっています。
国産材を使うということは、節が少なくまっすぐな外国産材を使うことよりはるかに手間がかかり、また多くの樹種を使うことはその管理手間やコストも多くかかり、決して楽な話ではありません。それでも日本の山の多様な木と使うことが、森を守り育てることに繋がるという思いを伝えることができる商品だと自負しています。
塗装仕上げについて:自然そのままの風合いを
オークヴィレッジでは、国産無垢材の色合いや質感を生かし、木の魅力を引き出す最良の仕上げ方法として、植物性オイルや漆塗装の自然由来の塗料による塗装仕上げを施しています。 自然由来の塗料は使い込むことで経年変化による味わいを醸し出すだけではなく、将来にわたり塗り直しが可能で長くお使いいただけます。
植物性オイル仕上げ
天然亜麻仁油・ミツロウを主体とした植物性オイルです。木材に浸透して硬化するため皮膜を作らず木材の心地よい手触りをそのままお楽しみいただけます。また、木材の持つ調湿機能がそのまま残るのも特徴であり湿度変化の大きい日本の気候風土に合った塗装技法と言えます。石油由来のウレタン塗装に比べてメンテナンスが容易であり、経年変化を楽しみながら長くお使いいただけますし、シックハウス症候群とは無縁の塗料です。
漆仕上げ
漆は古くから日本の様々な木製品に表面仕上げとして使われてきましたが、オークヴィレッジでは創業当初から積極的に漆を家具の塗装に使っております。 ウルシの木の樹液を濾過した自然由来の塗料で、木材の表面に繰り返し刷り込むことで木目を美しく際立たせ上品な艶を出すことができます。植物性オイルと同様に木材の調湿機能を阻害せず、また、メンテナンスが容易であることも特徴で、特に塗り直しをおこなった製品には、新品にない深い艶が生まれます。
無漆塗仕上げ
植物性オイル仕上げ
漆塗仕上げ
長く愛用され続ける
暮らしの木製品を目指して
オークヴィレッジは、創設当初、家具工房としてその歴史を歩み始めましたが、ほどなくして家具づくりの過程で出る端材を使った暮らしの木製品づくりを行うようになりました。
私たちが家具のために使用する広葉樹は、日本の森の中で時間をかけて生長したものであり、小さな端材といえども有効に活かすことはできないかと常に考えています。
今では、長年培った匠の技や木材に関する豊富な知見が、家具のみならず、おもちゃ、文具、食器・漆器などの様々な製品づくりの際にも活かされています。
受け継いでゆく伝統技術「木組み」
私たちは、日本の伝統工法である「木組み」の技術を応用しています。
「木組み」には、高度な加工技術が必要不可欠で、その工法は昔から日本人が培ってきた伝統的なものですが、時にはそれをアレンジし、より進化させ、現代の暮らしの木製品の構造や用途に合った技術を開発しています。
暮らしの木製品で用いる主な木組み
- かんざし
- 木材はストローを束ねたような構造をしているので、木口(ストローの先端部分)同士を接合する場合、強固に接合することができません。
そこで「かんざし」を用いて、接合する部分に橋渡しをする部材を追加し、接合面積を増やすことで強度を増しています。
- あられ組み
- 四角い継手を交互に出して接合する方法で、木箱を作る時などに用いられます。
接合部にはクギやネジを使わない伝統的な「あられ組み」を施しており、強度は抜群です。
リビングにも書斎にも馴染むよう、四面の木目や色目の組み合わせを大切にしました。
木の魅力を最大限に
デザインは造形的な美しさを追求するという面だけではなく、使い勝手や安全性はもちろんのこと、素材の持つ性質や雰囲気をどのようにかたちに反映させるかも大切な要素です。
そのため、デザインにおいても私たちが目指す「適材適所」のモノ造りの完成をより高め、木のポテンシャルを可能な限り引き出し、魅力ある製品にするためのフォルムやディテールを追求し続けています。
「森のどうぶつみき」「海のいきものつみき」
さまざまな角度から子どもたちが親しみやすくなるように、日本の森に住む身近などうぶつや、海に囲まれる日本にとって身近ないきものをモチーフにした積木です。「森のどうぶつみき」と「海のいきものつみき」を一緒に遊ぶと、さらに森と海のつながり、地球のつながりを感じることができます。
「あのまとぺ」シリーズ
木のおもちゃ「あのまとぺ」シリーズでは、石ころや木枝のような自然界にある原初的な形をモチーフに採り入れ、乳幼児期のお子さまが自然界とよりつながりやすくなるようなデザインを意識しています。
「TANTO:」「INRO:」シリーズ
「TANTO:」は「短刀」をモチーフにした木製ペンケースです。内ポケットやカバンにすっと入る流線型のデザインが特徴であり、直線と曲面を用いて、木という素材の良さを活かした心地よい仕上がりを目指しました。
、「INRO:」「印籠」をモチーフにした木製カードケースで、懐に入れ携帯することに重点を置いて設計しました。
どちらも持ち運びを意識したコンパクトなサイズですので、ビジネスマンの方にも人気です。
トチ
オークヴィレッジ敷地内の「緑の国 トチの木広場」中央には、その名のとおり一本のトチの木が生えています。
雪のない時期は、そのトチの木を囲むように皆で大きな輪を作り、社内の朝礼を行っています。
秋に実るトチの実はその美味しそうなフォルムとは裏腹に、アクが強烈なため、アク抜きに非常に手間と時間を要しますが、
その保存性の高さから、古くは飢饉に備えた救難食として重宝されてきました。
その名残として、飛騨では栃餅や栃の実煎餅などの文化として受け継がれていますし、トチの花から採れる栃蜜はまろやかな味で、ポピュラーな蜂蜜の一つです。
このようなことから、トチの木は人々から大切にされてきたのですが、木材としてはそのカビやすい性質から、
材料としてあまり使われてきませんでした。
それが乾燥技術の発達により、「トチの絹肌」と言われるような白く滑らかな材として利用されるようになりました。
ところが一時大量に市場に出回ってしまったため、今では流通量が減ってきてしまっています。
オークヴィレッジでは、その特徴的な白さが、他の樹種との対比が美しくなるので、「森の合唱団」の音盤や、「寄木のリース」、「寄木の積木」の積木ピース、「コロコロアニマルズ」など、様々な商品に使用しています。
【トチを使った製品例】