(追記 2023.1.18)
オークヴィレッジのスタッフが実際に愛用している商品をご紹介する「スタッフ愛用品」コラム。このたび、家族全員で愛用される家具としてご紹介した「折りたたみ小机」の記事に、購入から10年後の後日譚を追記しました。
- [1] 家族全員が愛用するパーソナルファニチャー
- [2] 日本家具の代表格「二月堂机」をベースに
- [3] 自社のモノ造りの精神を盛り込んだ逸品
- [4] 10年後・長男が下宿先で愛用 (追記)
- [5] 商品情報
家族全員が愛用する
パーソナルファニチャー
オークヴィレッジの製品で何が一番好きか?と問われたら、私はこの「折りたたみ小机」と答えます。
理由は単純ですが、「我が家で家族全員が愛用している品だから」です。
他のアイテムも何点か持っている中で、この小机は家族4人でたった1台を、ある時は私が…ある時は子どもが…と、それぞれの目的と時間帯で使い分け、引っ張りだこにしています。
たとえば、私はストーブの前に出して町内会の事務をしたり、絨毯でゴロゴロくつろぎたい時におやつを置いたり。妻はノートPC作業を中心に、Skypeの時には背景が整った場所まで移動させて重宝しているようです。
長男は自分の部屋に持ち込んで、一人で食事を取らなければならない塾の曜日の食卓に使ったり、次男は家族が集うリビングで、子どもの背丈にも丁度よいリビング学習デスクとして主に使っています。
そもそも家具は時とともに愛着が増して家族みたいな存在に育っていくものですが、この小机はパーソナルファニチャーでありながら老若男女がマルチな目的で使え、例えるならば相手を選ばないパートナーみたいな存在、と言ったところでしょうか。
日本家具の代表格
「二月堂机」をベースに
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この小机は、日本の家具の代表でもある「二月堂机」をベースにしています。
二月堂机とはお水取りで知られる東大寺・二月堂のお坊さんが食事をする食堂(じきどう)で用いている道具で、二月堂でも千年以上受け継がれている原型から忠実に制作されていると聞いたことがあります。
質素でありながら何にでも使える高い利便性、コンパクトでありながら必要十分なサイズ、脚を折りたためば移動や収納もでき、自分の居場所を自分の思いで作ることができる。こうした要素が、二月堂だけでなく日本家屋の暮らしでも長く愛され、定着してきた理由でしょう。
自社のモノ造りの精神を
盛り込んだ逸品
「折りたたみ小机」は二月堂机を、言わばオークヴィレッジが現代風に翻訳した品です。もともとの本質や機能性はしっかり継承し、我々が創設以来培ってきた モノ造りの精神を随所に余すことなく盛り込んでいます。
国産クリ無垢材を用いた天板は大型テーブル同様に蟻桟を通し、オイル仕上げで時が経つほど表情が深まっていきますし、折りたためる脚の構造にも金具を一切使わず、木製ストッパーでパチンと留めるだけ。重さ約8kgなので女性でも持ち運びができます。
自分も学生時代、こんな机を持っていたら狭かった下宿でもさぞ便利だっただろうな…と思います。
折りたたんだ状態で、節句飾りや器を飾ってみてもいいですね。
あらゆる住空間で間違いなく大活躍する「折りたたみ小机」。掛け値なしにおススメです。
10年後・長男が下宿先で愛用
そして、家族4人で愛用している「折りたたみ小机」のお話を書かせていただいてから、はやくも10年の歳月が流れました。
現在はどのような形で使っているのかと申しますと、大学に進学した長男が「この小机は自分が下宿先で使いたい!」と
嬉しい申し出をしてくれて、現在は岐阜から進学先の横浜に移動しています。
そう、私がかつて、学生時代にこんな机を持っていたらさぞ便利だったろうな…という思いを引き継いだ形です。
家族の中で使い回すことはできなくなりましたが、長男は現在、この小机で勉強をしたり、食事をとったり、友達と杯を交わしたりと、
日々の暮らしをこの小机を中心に過ごしているようです。歳月とともに喜怒哀楽を重ねたこの小机は本人いわく、「汗や涙だけでなく、お鍋のつゆやジュースなど色々染み込んでいます」「でも、ここだけにしかない小机であることは確かなことです」。
もはや掛け替えのないものとなっているこの小机。この先の未来、私たち家族にどんな形で寄り添ってくれるのでしょうか。
一台の家具にこんな思いを抱けるのも、幸せなことなのかもしれませんね。
家具クラフト事業部 服部