赤ちゃんをあやす揺りかごに始まり、ブランコにハンモック、ロッキングチェアー、そして木馬など、揺れるモノは数多くありますが、それらを取り巻くイメージは、いつも“安らぎ”といってよいかもしれません。揺れることで、安心感を得たり、はたまた眠気に誘われることも。どういう訳か、人はやさしく揺らされると、心地よくなる生き物のようです。
もっとも子どもの場合は、回転だのジャンプだのと、すぐにアクロバットな動きを求めて、安らぎとは間逆の方向にいってしまいがちですが、ブランコにせよ、このMokubaにせよ、初めて乗りそっと揺らした時の、嬉しそうな心地よさそうな、何とも言い難い子どもの表情は忘れられません。恐らく、本能に訴えかける何かがあるのでしょう。
部屋の隅に置いていると、その前を通るたびに、ちょっと乗ってはゆらゆら・・・。仕事から帰宅して、今日あった事を話してくれる時も、乗ってゆらゆら・・・。意識しているのか無意識なのかはわかりませんが、とにかく落ち着くようです。
Mokubaはそこそこ大きな玩具ですが、使っていないときもその気品のある意匠により、インテリアとしても価値あるものです。玩具というカテゴリーを越えた一品ではないかと、自信を持って送り出したいと思います。
制作部 T.S