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住空間を最大限に活かせる「折りたたみ家具」のある暮らし~「折りたたみサイドテーブル」など~



オークヴィレッジの直営店舗で人気のある家具の一つが「折りたたみサイドテーブル」です。こちらの木製サイドテーブルは、独自の折りたたみ構造を持ち、金物を使用せずに木組みで作られているため、美しい見た目と自然な雰囲気を醸し出しています。収納時にはコンパクトに折りたたむことができるため、住空間を最大限に活かした暮らしにも適しています。
今回は、こちらのサイドテーブルを含めた「折りたたみ家具」全般へのオークヴィレッジの想いについてご紹介します。

 

図書館の一文が語る飛騨の暮らしと道具への想い

高山市にある図書館の書庫には、以下のような一文が掲げられています。

飛騨は山国である。 その高山に到るには、どの道をとっても必ず幾つかの峠を越えなければ能わない。 峠に向かおうとする者は、背なの荷を確かめ、自らの体力に合った荷数にととのえた。 その時、飛騨びとは、軽くする荷が大切なものかどうかを確かめる。 高山までは、峠を越えるたびに、何度となくこの作業をくり返す。 そして高山に着た時、背なの荷は、いくたびも選び磨かれた珠玉のように輝く。 飛騨びとは、やっと手にしたこの宝を大事のものとして掌中に暖めた。

この一文は、険しい山々に四方を囲まれた飛騨の暮らしぶりを表したものです。「荷」とは食物であったり衣類であったり様々でしたが、道具として考えると、かつての飛騨びとのみならず、日本人の心に本来ある、道具と向き合う精神性に通じているようにも思えます。



道具を大切にする精神

現代では「古いモノは新しいモノに買い換える」という生活感覚が浸透しています。しかし、江戸時代から敗戦後の復興期頃までは、たった一つの道具も大切に扱われていました。その時代、暮らしから捨てられるゴミは極めて少なかったのです。手にした道具は利用できる限り利用し、本来の用途で使えなくなっても別の用途で再利用するなど、工夫を重ねることが一般的でした。

江戸時代の道具と暮らし

江戸時代の人々の暮らしは、狭小な住空間の質素な生活が主流でしたが、そこに置く道具は大切に使い続けられていました。工夫を凝らすことで、限られた住空間を豊かにすることができました。

例えば、「火鉢」を置いて客間として設えたり、「箱膳」を出して食卓とし、膳の中には食器を片付けたりしました。「衝立」を立てれば寒い隙間風を遮断し、空間機能を仕分けることもできました。衣類等を仕舞う「長持」も収納として役立ちました。



「折りたたみ家具」の合理性と
多機能性

このように、家具や暮らしの道具を制作するオークヴィレッジの工房でも、造り出す家具や道具が住空間に合うかどうか、合理的に機能するかは常に重要なテーマとなっています。その指針となるキーワードの一つが「折りたたみ」という考え方です。

日々、寝室の布団を折りたたんで押入れに仕舞うのと同様、家具も「必要な時に簡単に出し入れし、時には別の部屋に移動させ、使う空間も用途も一つに縛られない」という可変性があれば、更なる利便性を提案できると考えています。これまで「折りたたみサイドテーブル」「折りたたみスツール」などの形の変化する小型家具を制作してきました。

同じテーブル回りも、補助的にサイドテーブルを加え、メインテーブルを広く用いたり、来客時にスツールを出して団らん空間を彩ったりと、目的に合わせた変化を設計できます。
(右)「折りたたみサイドテーブル」 (左)「折りたたみスツール」


「折りたたみサイドテーブル」の折りたたみ例

 

無垢材と木組みの技術

無垢材・木組みの家具と言えば、構造が一定的な据置き家具が基本型です。しかし、「折りたたみ」の家具は積み重ねた木工技術を駆使し、最小限の部材構成と適材適所で、形を変化させることができ、かつ持ち運びも容易な家具に仕上げています。

「折りたたみサイドテーブル」天板の部材
「折りたたみサイドテーブル」脚部の部材

その結果、使われる方々の暮らしに提案できるのは、“住空間の多目的な活用”です。例えば、「折りたたみ小机」は東大寺の二月堂机をモチーフにしており、利用者は自分自身で用途に合わせて住空間を設計することができます。



「折りたたみ家具」の展開

「折りたたみ小机」から始まった折りたたみ家具は、その後「Kigumiシェルフ」や、「折りたたみサイドテーブル」「折りたたみデスク」「折りたたみスツール」と「折りたたみ家具」のシリーズ商品が加わることで、自分で設計可能な住空間の提案を広げています。

素材・技術・デザイン面では従来家具の実績を踏襲し、構造部には強度の高いミズナラ材を、面積の広い天板には木目が楽しめ、重量負荷の少ないクリ材を用い、永く愛用いただくために重要な木組み工法を随所に採り入れています。一連の家具が一つの空間に集合しても美しい統一感を醸し出すようにデザインされています。

着座の姿勢・視線の高さの変化、多様な用途に応える家具を揃え、空間を機能的にした場合の空間例



日本の暮らしと折りたたみ文化

もともと日本式の暮らしには、西欧様式と比べても、折りたたむ・仕舞う・持ち運ぶといった所作が日々に根付いています。家具や道具を制作する私たち工房も、負担を感じさせずその所作が行える趣向と技術を凝らし、住まいの空間を本来以上に機能的なものにしたいと考えています。

「折りたたみ」など家具の可変性は、工房の職人一同、しばらく腰を据えて取り組み、深掘りしていきたいテーマです。



「折りたたみ家具」のご紹介

折りたたみ
サイドテーブル

国産クリ・ナラ
商品情報を見る
折りたたみ
スツール

国産クリ・ナラ
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Swallowチェア
折りたたみ小机
国産クリなど
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Ibis LD アームチェア
折りたたみデスク
国産クリ・ナラ
商品情報を見る
Ibis LD チェア
Kigumiシェルフ4段
国産クリなど
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Mori:toチェア
Kigumiシェルフ3段
国産クリなど
商品情報を見る

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