施工実績
木戸脇果樹園オーチャードハウス
建築Photo by Isao Imbe
About This Project
所在地:岐阜県
構造規模:木造2階建て
延床面積:190.95㎡
業種:喫茶・物販店舗
公式サイト:https://hida-fruits.com/
設計・デザインについて
岐阜県高山市国府町、国宝建造物がある安国寺からほど近い場所に、木戸脇果樹園オーチャードハウスはあります。ご依頼いただいたのは、丁寧に育てられた果物を用いた焼き菓子などをお楽しみいただける喫茶、そして果実はもちろん、ジュースやジャムなどの加工品の販売所を兼ねた、店舗の新築でした。計画の中で、果樹園の創設者である施主の祖父が植林し、育てた森の木々を使えないか、というご要望をいただきました。施主が幼い頃から慣れ親しんだその森は果樹園をさらに登ったところにあり、スギ・ヒノキ・マツといった日本を代表する針葉樹が豊かに育っていました。祖父の森から切り出される木々の魅力に溢れ、かつ店舗として強く記憶に残る空間とするため、門形に組んだ柱・梁の構造を並べ、相互につなげる構法を考えました。構造体として、門形が建物を支持するため、内部の柱・壁を最低限に抑え、広々とした明快な空間を確保しながらも、門形の形状を反復させた空間の面白さ、そして大黒柱・大梁などの支持部材のたくましさが随所に感じられる空間となるよう配意しました。建築の計画が進み、構造図を作成、その図面を基にきこりが木々を切り出し、運搬・製材の後、しかるべき期間乾燥を行いました。そこから材料を選定・番付をして、大工が加工を行う、といった非常に多くの工程を要しました。その過程すべてが、おじいさまの育てた木々を活かす最良の方法であり、オークヴィレッジの理想とする「森のつづき」となるものづくりをまさに体現していると感じます。