オークヴィレッジのモノがたり | OAK VILLAGE STORY

材料っておもしろい

材料ができるまで:第一回「丸いものを四角にする」」

第一回では、材料を集めてから家具やクラフトに加工できる状態になるまでの一連の流れをお伝えしました。今回は、第一段階の材料集めについて詳しくお伝えします。

丸太は語る

オークヴィレッジのある高山市清見町の道の駅や、せせらぎ街道沿いの野菜直売所では、今、採れたての新鮮な野菜が並んでいます。直売所の壁には、「私がつくりました」のフレーズとともに、生産者の顔写真も並び、見ているとなんだかホクホクして、野菜たちもよりおいしそうに見えてきます。

さて、同じように、集材業者さんに依頼していた丸太が集まると、その丸太についてのデータ(原木明細書)が送られてきます。野菜のような生産者の顔写真はありませんが、材の出所を示す欄があり、地元高山をはじめ、松本、伊那、下呂、中津川、少し足を伸ばして山梨などと書かれています。

また、原木市場や集材業者さんの土場では、山から材を出す造材業者さんの刻印や手書きの名前、材の径と長さなどが木口に印されています。馴染みの印字を見たり、勢いのあるチョークの文字を見ると、丸太が集まるまでにいろいろな人が関わっていることが伝わってきて、畏敬の念さえ湧いてきます。

「製材」丸太を板にする
市場に出てくる材には、それぞれの材を区別するために造材業者さんの焼印が押されています。

材料を乾燥させる
@それぞれの丸太に付けられる品番。    A直径(40センチ)    B長さ(3.8メートル)
C材の立米数(体積)。計算方法は基本的に、A×A×B
D「一」が隠れていますが、「一本」と書かれています。三本セットで同じ樹種が出されるときは、「三本」と書かれています。

さらに製材のときも、改めて材の色目や杢、材質に触れて、かの地に思いを巡らします。「やはり官材(国有林から出た材)は木目がしまっていいな〜」「あそこのは、赤身の色が濃いんやさ」「丹生川(高山市)のカラマツは太いのあるな〜」「清見町の奥のスギはいいんやぜ」

木材市場は競売所なので空気がピーンと張り詰めていますが、製材所では、和やかにそんな木材談義に花が咲きます。高山市一つとっても、育った場所によって材の質は様々。丸太を見始めた頃は違いがわかりませんでしたが、とにかく見て触って、製材し、それぞれの材を直接感じることで目が肥えてゆき、体で違いを覚えていきます。オークヴィレッジで使う材料のうち、丸太から集めるものは全体の3分の1ほどですが、それぞれの機会をとても大切に感じています。

それぞれの場所に適した樹

高山は寒冷地野菜としてホウレンソウを多く出荷しており、ここ清見町の直売所のホウレンソウも肉厚でとてもおいしいです。澄んだ空気や、土や水、気候がホウレンソウに合うのでしょう。

木も同じで、高山のヒメコマツ、中津川加子母の東濃ヒノキ、能登ヒバ、木曽五木(ヒノキ、アスナロ、サワラ、ネズコ、コウヤマキ)などもその土地に合っている樹種なのだと思います。広葉樹でもオークヴィレッジの主材のナラの良材は、寒いところが適しており、そこでゆっくり時間をかけて育ったものです。

その他、オークヴィレッジで扱う材で代表的なものを例に挙げると、カエデ、ホオ、クリは北海道・東北〜東海、トチは北海道にはないので、本州の中西部から。ケヤキは甲信越。関東から南に下って九州・鹿児島のクス、カシノキ。サクラの中でも用材に主に使われているヤマザクラは、桜前線があるとおり、南から本州〜北海道まで全国にあり、オークヴィレッジでは、飛騨一円と北海道のサクラを使っています。

同じ樹種でも、本州と北海道で違いがあるのがサクラとホオ。本州は色も濃く材質がしっかりしていますが、北海道のものは色目も明るく、柔らかで、わずかですが違いがあります。またケヤキは、四国の本ケヤキの色と質はとても美しいです。同じ地域内でも土が違うからか、日の当り方や周りの植生に影響されるのか、材質に違いがあります。

木の植生地は大まかに分類できますが、通り一辺にいかないところがおもしろいところです。同じ樹種でも山により傾向があるので、品質を安定させることが難しいところでもあります。

材料はどこから来るの?山でしょ?

これまでは材料が山から出てくる話ばかりでしたが、現在はそれだけではありません。街路樹、お堀の木、学校、職場、家の庭木、使用済みの酒樽、ダムの流木、バットの不適格材など、一度利用され、役目を終えた木、または欠点があり途中ではねられた木、街中で大きく育ち過ぎた木、立ち枯れ始めた木など、身近なところからも材が出るようになりました。大径木の丸太を引き取りに、東京の街中へトラックを走らせることもしばしば。また個人のお客様より、「思い出の詰まったこの立ち木を材として生かすことで形に残したい」というご依頼も少なくありません。様々な想いが運んできてくれる材に触れる度、私どもに連絡をくださることにありがたい気持ちでいっぱいになります。

そう思うと、いろいろな場所から現場に集まるどの材料も、様々な人の想いが運んでくると気付きます。材料の魅力を最大限引き出す仕事は、そんな想いを受け継ぐことから始まるようです。

これからも、限りある日本の森の木々を大切に想いながら、永く愛されるモノづくりをしていきたいと思います。そのためにできることは、まだまだたくさんありそうです。材料からもその可能性を探っていきたいと思います。

材料ができるまで:第一回「丸いものを四角にする」
お客様からお預かりしたケヤキ材。将来の用途を考え、どこで切れば良いかが、製材前の一番の仕事でした。最終的に、お客様のご意向に沿って一番良い部分はテーブルに、細い部分はお椀に生まれ変わりました。

材料担当:西崎 英二

 

材料ができるまで

丸いものを四角にする

第一回
「丸いものを四角にする」

材料ってどこからくるの

第二回
「材料ってどこからくるの」

製材について

第三回
「製材について」

乾燥について

第四回
「乾燥について」

 
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