オークヴィレッジのモノがたり | OAK VILLAGE STORY

職人の目線

職人の目線:第一回ナラ材は多種多様

木工の素材は言うまでも無く天然由来のものです。それ故に、多様性や面白さを持つものですが、それを生かすのが適材適所という知恵なのです。選材という始まりにして最も大切な工程を、ナラという素材を題材にお話します。

適材適所という言葉がありますが、例えば椅子の場合、堅くねばりのある材が適しています。ナラ材において堅くねばりのある材とは、一般的に年輪間の巾が広く、成長の早い若木ということになりますが、単純にそういうものでも無く、中には曲者がいて、堅いだけで、やたらともろい材もあり、そうかと思えば年輪巾が狭いわりに強靭な材もあったりします。一見なにが違うのか分からないこの手の材料も、職人の目線は見逃しません。

木工では一番最初の、材料を選び切り分ける工程の職人は、通常最も熟練した者が担当します。それは、完成した作品のイメージがどのような方向性であるのか、あるいはどのような強度や精度を保てればよいのか、ということを熟知していなければならないからです。もし仮に、ここの判断を誤ると、その後の加工や塗装がいくら素晴らしかろうと、全ては無意味という結果を招きます。

多種多様なナラ材を長年手に取り、切ったり削ったり匂いを嗅いでいる者には、素材を見分ける能力が知らず知らずのうちに培われ、感覚で判断できるようになります。これを年季と呼びますが、オークヴィレッジの場合は、手工具の愛好家が多いせいか、若手であってもそのような感覚に鋭くなる環境があります。何故かというと、これは私の持論ですが、素材というものの性質をより深く理解するためには、機械を使わず人力で素材と向き合い、その感触を肌で感じ取るという行為が必要不可欠であり、我々のモノづくりはその上で成り立っていると思うからです。

制作部:澤岡 淑郎

職人の目線:ナラ材は多種多様
同じナラでもこれだけ違う。左が「おに目」年輪は13本。木というよりは樹脂といった感じ。鬼のように堅い。右が「ぬか目」年輪は57本。柔らかくて狂いにくく、繊細な杢目が出るが、椅子の構造材には全く不向き。しかし近年このような「古木」には、ほとんどお目にかかれなくなってしまった。
職人の目線:ナラ材は多種多様
左が上記の「ぬか目」。右は同程度の年輪巾のナラであるが、どういう訳か強度はかなり上である。
職人の目線:ナラ材は多種多様
職人の目線:ナラ材は多種多様
スワローチェアの脚部の選材。この工程が椅子の強度に大きく関わる。
広葉樹ナラ
職人の目線:ナラ材は多種多様
ナラ(広葉樹):ナラにはコナラ、ミズナラなどいくつかの種類がありますが、木材によく使われる樹木はミズナラです。材としては硬く重く、扱いにくい木ですが、荒々しくも美しい木目が特徴です。ナラは特にヨーロッパで評価が高く、「キング・オブ・ザ・フォレスト(森の王様)」とも呼ばれています。オークヴィレッジでは、重厚で美しい木肌と強い材質を生かして、椅子やテーブルなど多くの家具に使っています。

制作部 澤岡淑郎

制作部:澤岡 淑郎

趣味のひとつが、山登り。
澤岡の木工に対する姿勢は、その山の趣味に通じるものがあります。
「より高いところへ、かつより困難なルートで」
そんな気持ちで木工に向かい、設計者の要望をホイホイかたずけます。

BACK TO TOP OF PAGE | ページトップへ戻る